奇跡のコラボレーション
会場はバンコクの Kissuisen (4階 SEIFU)。2026年、ミシュランガイドに掲載されました。
そして本家・京都の祇園又吉は、2016年版より連続ミシュラン2つ星を獲得し続ける名店。その料理長・又吉氏がお弟子さんを引連れ、一年ぶりにバンコクへ来泰。
これは私の記録に残さねば と思い、時は過ぎてしまいましたが、”A Culinary Reunion”と名付けられた特別な数日間の模様を振り返ってお届けしていきます。
吉翠泉 × 祇園又吉のコラボ
京都の伝統技法と、タイの厳選食材を融合させた特別おまかせコースで織りなされるスペシャルデー

昼は14品、夜は16品の異なる構成となっています。
そしてこの会を特別なものにしていたのが、裏であり、表のような日本酒ペアリング。
目の前で仕上げられる数々のお料理が仕上がるライブ感や、一人ひとりに用意されたネームカードで、日本らしいおもてなしを感じれる素晴らしさがあります。

単なる食事ではなく、「体験」そのものが魅力的。読み切った時には、あなたも双方のファンになっているはず、、。
祇園又吉の魅力
京都でミシュランを取り続ける祇園又吉。

オーナーである又吉氏の料理は派手なものではなく、一口ごとに「品」を感じる日本らしい良さがあります。
出汁の澄み方、火入れの静けさ、余韻の美しさ。日本人であることを誇りたくなる味です。

そして何より、素材への敬意。
松葉蟹を一本ずつ手で捌き、ほぐし、目の前で巻く。そんな流れるような所作の中に、本物の技術が宿っていました。
お金では買えない希少酒ペアリング
このイベントの醍醐味と言っても過言ではない、「EKS」や「十四代」を含むスペシャルペアリング。今回の最大の贅沢は、貴重な日本酒のオンパレード。特に希少銘柄として知られる十四代が惜しげもなく提供されました。
先付けに合わせた銘柄は「仙禽 EKS No,1 スパークリング」

元々は肉の名店、”焼肉ジャンボ”とコラボして作られた物だそうで、”シャンパンのように繊細な泡がタレの味を切り”とのごとく、微炭酸で辛味があり、すっきりとした味わいでした。

続いて2杯目は前菜、向付に合わせた「十四代 レッド」

重たい感じが少しあり、まろみと深みのあるテイスト
3杯目は煮物椀、鮨一品に合わせた「十四代 ブラック」

4杯目は焼き物、石焼、口替わりに合わせた「十四代 ゴールド」

5杯目は食事、留椀に合わせた「作 EKS No,1」

鮨の名店 “鮨 三谷”とコラボした物だそうで、食材の魅力を引き出し、美味しさの幅を広げるには、食材の中にない「果実のようなほろ苦さ」を追求したという味わい。一貫ごとに変わる魚に負けずに交わる味わいはこのタイミングにぴったりでした。
そしてラストは「十四代 蘭引酒」。

このランビキ酒ですが、見た目は一言にウイスキーのような色味。それに合わせて?グラスも先程までと異なり、ウイスキーグラスにチェンジ。

気になる味わいも、日本酒を飛び越え、私には強めの美味しいウイスキーに感じましたが、周りの方々も同じような意見でした。これが日本酒というのだから、目から鱗でした。日本は奥深い、、
どのお酒も入手困難で、”お金を出せば飲める”類いのものではないため、このスペシャルコラボイベントで楽しめる格別な時間にぴったりのペアリングなのだと思います。
料理と酒が互いを高め合う、完璧な設計でした。
コラボコース内容
16品の中で品々のものが印象に残りましたが、せっかくなので、全てを順番にご紹介していきます。
先付け

とろりと重なる食感。大根おろしの辛味が輪郭を作り、海胆の旨味が口いっぱいに優しく広がる。
前菜旬の盛り合わせは、準備段階から美しそうな雰囲気漂う様子。

うちわにのせられた愛らしい一皿が目の前にやってきました。

華やかで贅沢な一品は祇園又吉を凝縮させたようなセンス。別添えのホアヒン産甘海老とキャビアの和え物?は間違いない甘味が強く感じられる味付け。全てがまるでお正月を凝縮したような品格です。
刺身
活きの良い大ぶりのプーケットロブスター



お醤油にマナオを絞るとポン酢のような香りにそうで試したのですが、まさにそんな感じ!爽やか〜。ぷりぷりのプーケットロブスターとの相性抜群です。

マグロはまさかのお醤油を使わずに胡麻油風味の卵黄ソースで食べるという斬新さでしたが、これはまるですき焼きのような余韻。家でもやってみようと思いました。
お次は祇園又吉による煮物椀。タイまでカトラリーを持ってきているという熱の入れよう。


甘鯛の澄みきった出汁はゆずも香り、身体に沁み渡る静かな感動。

休むまもなく、目の前に現れた立派な松葉蟹。

又吉さん自ら蟹を捌き、お弟子さんと共に目の前で仕上げる手巻き。


Kissuisenの料理長、三井さんもミシュランスターによる手捌きから色々と学ばれていたようで、こういうシーンが見れるのがコラボの裏の楽しみ方でもあると感じます。
鮨一品:松葉蟹

ジューシーな蟹の旨味が酢飯と溶け合う素晴らしいハーモニーでした。
良い香りがしてきたなと思うと、目の前に運ばれてきたインパクトの凄いこちら

生い茂る笹の葉にカモフラージュするように刺さった、焼き物のイワナ
これがまたびっくりで、骨までぱりぱり!頭から尻尾まで全て食べれるイワナは身がふわふわとふっくらとし、何匹でも食べたくなるタイでは味わえない美味さ。

付け合わせの柳酢(ヤナギタデの葉をすり潰し、酢で伸ばした伝統的な調味料)はとても爽やかに広がり、旨みが増す味わいでした。
続いて石焼。黒毛和牛と、熊本産の早取れ筍を自分で焼いて食べるスタイル。

4時間低温調理した和牛は、歯がいらない特段の柔らかさで旨みたっぷり!京都直送の九条葱を使ったソースも辛味などなく香りが良い、日本の四季を感じれる美味さでした。
口替わりには冬大根と梅干。

昆布締めされた大根と、梅大葉が挟み込まれた、さっぱり味わいで、口直しにぴったりです。
Kissuisenのタイ人による握り5種。


金目鯛

牡丹海老

馬雲海胆


のどぐろ

中トロ(8日熟成)

特に中トロは端を炙り、鮪の脂と赤酢をシャリにまぜ、オリジナルのセンス。


Kissuisenは お鮨屋さんではない ので、少し握り方が硬めだったり、トッピングの塩の加減が濃く感じたりしましたが、周りのタイ人は大絶賛していたので、タイ人仕様に仕上げられているのかな。好みの問題かもしれませんが、とは言え、ネタは一流の物を使っているので美味しいですよ。
留椀は生麩の赤出し汁

生麩はまるでお餅のようなテクスチャーで好きなやつ。赤出しは味わい濃いめで、締めにぴったりのシンプルだけど深い味わいが身体に染み渡ります。
最後はパッと目を引く華やかな水物、

いちご白玉とお抹茶のムース

オレンジの器を使った水々しいあんみつはどこか懐かしく。世界的にお抹茶ブームであり、至る所で食べる機会が多いのですが、群を抜いてここのムースは美味しかったです。さすがの一言。
日本人の良さが全面に溢れ出たこちらのコラボイベントでは、お食事の後に自宅でも楽しめるように昆布の佃煮と、鯛の味噌をお土産にいただきました。

貴重な機会をありがとうございました!!

まとめ
最近流行ってきている「日本の名店の来泰イベント」。これは単なる”出張イベント”ではなく、日本の京都の時間が、そのままバンコクに降り立ったような気持ちになる、素晴らしい空間とお料理の数々でした。祇園又吉は日本では予約困難店で、2ヶ月前に予約が始まり一瞬で埋まる激戦店。そんな名店の味を、ここで体験できる奇跡の一言です。
今年の夏、又吉氏は再び来訪予定とのことで、この貴重な体験を味わうチャンスがあります。”必ず席を押さえたい”そう思わせてくれる素晴らしい一夜でした。
Seifu By Gion Matayoshi の詳細
| 営業時間 | 11:30~/ 13:00~ / 18:00~ / 20:00~ |
|---|---|
| TEL | +66 2 088 5666 |
| 住所 | Kissuisen Building, 262 Surawong Rd, Siphraya, Bang Rak, Bangkok 10500 |
| 行き方 | BTSサラデーン or MRTシーロム駅から徒歩3分 (セントラルパークバンコク・Gフロア直結) |
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