まだまだ知られざる、隠れ家レストラン
バンコクには数多くのファインダイニングがありますが、その中でもまだ知る人ぞ知る存在だと思うのが「The S Bangkok」





神戸出身、フランスで修行を積んだ楠シェフが手掛けるこちらのレストランでは、フレンチをベースに日本の繊細な感性を取り入れたイノベーティブなお料理を楽しむことができます。

実はシェフのご実家には長い歴史があるそうで、ひいおばあ様の時代には兵庫県で初めて風営法の認可を受けたキャバレーを営み、その後、おじい様の代からフレンチレストランへと姿を変え、現在まで受け継がれているそう。


そんな様子を入り口のお写真で伺いながら、お料理をいただくと、一段と深みがますようか気がします。

そんなThe S Bangkokで、今回いただいた夏限定のディナーコース(5,000++バーツ)をご紹介します。


お料理をさらに引き立てるペアリング
今回はお料理に合わせて私のみペアリングをいただきました。前回の記事はこちらから

主人は運転手なのでノンアルのモクテル。

爽やかな香りと優しい甘さで、夏らしいお料理との相性も抜群でした。
最初に登場したのは、イタリアの”シャンパーニュ”とも称される地域で造られたスパークリングワイン。

辛口ながら華やかな香りが広がり、コースの始まりにぴったりの一杯です。
コースの途中では、オーストラリア産のすっきりとした白ワインや、しっかりとしたタンニンを感じる赤ワイン、さらには広島県の日本酒「龍勢」まで登場。




料理ごとに異なるペアリングが用意されているので、最後の最後までしっかりと様々なハーモニーを楽しむことができました。
シェフの相棒となるサービス担当を務める日本人の方がサーブしてくださる際に色々とお話しをしてくださるのですが、この方のことをとても気に入っている主人。
この方がいるだけで、お店の雰囲気がとても柔らかくなり居心地が良くなるので、ぜひ行かれた際にはたくさんお話ししてほしいです。
夏を感じる前半のコース
まず登場したのは、タイ産の甘みが強いとうもろこしを使ったブランマンジェ

シャキッとした歯ごたえを残したとうもろこしの甘みと、杏仁豆腐のようになめらかなブランマンジェが合わさり、まるでデザートのような一品。

アミューズとは思えない完成度に、この後続くコースへの期待が一気に高まります。
続いては、日本産メロンとサンダニエーレ産の生ハムを使ったプロシュット

まるでジュースを含んだかのようにジューシーで上品な甘さのメロンに、とろけるような旨みを持つ生ハムが重なり、お互いの美味しさを引き立て合う王道ながら完成度の高い組み合わせ。塩味×甘味って素晴らしいですよね。

見た目の美しさにも思わず見惚れてしまいます。
そして、The S Bangkokを訪れたらぜひ味わっていただきたいシグニチャーの「TOROTAKU」!

青森県、白ワインビネガーで仕上げた酢飯と大間産の本鮪にべったら漬けが混ざる上に、これでもかと一面に載せられたキャビアの贅沢な一皿です。
見た目のインパクトもさることながら、それ以上に驚かされるのが味わい。鮪の脂の甘みとべったら漬けのほどよい酸味、そこにキャビアの塩味が口の中で一体となる心地よさは「贅沢なお鮨を口いっぱいに頬張るとはこういうことかぁぁぁ」と思わせてくれる至福のメニューです。

本当に、これだけでも食べに来て欲しいほど贅沢で幸せになれるお気に入りの一皿です。
ここで、九谷焼の箸置きを自分で選べるというちょっとした遊び心があります。

こうした体験も、ユーモアがありお客さまを楽しませようとしてくれるレストランならではの魅力です。

前半メニューの最後は、日本一細い「ゆきやぎ素麺」を使ったSOMEN

茹で時間はわずか25秒という、聞いたこともないくらい短い時間。
トマト、梅、鰹の旨みだけを丁寧に抽出したような驚くほど澄んだスープに、塩を使っていないとは思えないほど味わい深く、冷たく冷やされた器に薄くスライスされたすだちが一面を覆い、とても涼やかな見た目の演出

スープまで飲み干したくなる美味しさでした。
この素麺はタイのお客様からも人気が高いらしく、本来は夏限定だったものの、リクエストが多く現在では通年で提供されているそうです。日本人も絶対好きな味わい。
夏らしさを重ねる後半のコース
ここからは温かいお料理になります。まずは、コンキーズのバゲットとともにいただく「HOT DISH」

このバゲットも個人的にはエモくて。コンキーズにお願いして、シェフ考案のレシピを毎朝焼きたてで届けてもらっているそう。外は香ばしくカリッと、中はもっちり!思わずもう一口食べたくなるレベルの高さです。
このバゲットに合わせるのは、パッションフルーツとマンゴーを合わせた海老のビスク

海老味噌の濃厚な旨みをしっかり感じながらも、南国フルーツの爽やかな酸味が加わることで重たさを一才感じないのに、濃く深いのだから不思議。
カダイフで包まれた手長海老は、サクサクと軽やかな食感が印象的で、見た目は可愛らしいのに一口食べると本格的なお料理で、まるで”大人の海老フライ”のような満足感でした♡
続いて登場したのは、リゾットという名前からは想像できない、フォアグラソースと鰻を合わせた一皿

茎わさびの爽やかな辛みと山椒の香り、香ばしく焼き上げられた鰻、そして濃厚なフォアグラのソース。それぞれが主張しながらも絶妙なバランスでまとまっていて、新しい鰻丼を食べているような感覚!

途中からはお出汁を注ぎ、ひつまぶし風のリゾットに。山椒の香りがさらに際立ち、一皿で二度も楽しめる贅沢な演出も印象的でした。うなぎの焼き加減にも注目してほしいです。
そしてシェフ渾身の鮎のパスタ

鮎の頭と内臓まで余すことなく使ったソースが主役の新しいパスタは濃厚でねっとりとした鮎の旨みを、オクラや自家製ゆずソース、ルッコラが爽やかにまとめ上げています。
細いエンジェルヘアのようなパスタによく絡み、鮎好きやグルメな方には特に刺さりそうな一皿でした。鮎のこの独特なほろ苦さ、個人的には鮎も大好きなのでとっても好きでした。

お次の魚料理は、甘鯛の松笠焼き

大好きな松笠焼きの鱗は、驚くほどパリパリに仕上げられ身はふっくらしっとり。
レモンや柚子、角切りトマトの爽やかなソースが夏らしさをたっぷりと演出し、その上にはこれまた惜しみなくキャビアが添えられています。オシャレでいて、とても贅沢。
付け合わせの茄子のペーストもとても印象的で、何度も裏ごししたという滑らかな口当たりはまるで芋羊羹のよう。穂紫蘇が爽やかなアクセントとなり、最後まで軽やかな余韻を楽しめました。
前半から後半までを通して感じたのは、「夏」をテーマにしながらも、一皿も単調になることがないということと多方面に広がる美味さ。夏らしい爽やかさもありながら、素材を引き立てるバランスが絶妙で、コース全体の構成力の高さを感じました。
まるで星付きレストランでいただいてると思えるほど、レベルがとても内心すごく驚きました。
ボリューム満点!選べるメインディッシュ
よく食べるとおっしゃるシェフの計らいで、コース料理の量は他のレストランと比べてもやや多めのボリューム

メインはお肉!
- ラム
- A5鹿児島和牛フィレ(+500バーツ)
どちらから好きな物を選ぶことができます。
せっかくなので、夫婦で違うメニューを食べ合いっこしたのですが、ラムは驚くほど臭みがなく、ぷりっと弾力のある食感。

噛むたびにラムの旨みが広がり、大粒のマスタードの歯応えも良いアクセントになっています。黒にんにくの甘みも加わり、ペロリと食べてしまったほど。
もう一方のA5鹿児島和牛フィレは、ナイフを入れた瞬間に感動!

力を入れなくてもナイフの重みだけで切れてしまうほど柔らかく、口の中でほどけるような食感。脂は上品で重たさがなく、マスタードを添えることで肉本来の甘みがより引き立っていました。
この価格帯のコースで、ここまでの流れを加味すると、こんなに質の高いメインディッシュを味わえることにも驚かされます。
お値段、、合ってる?(←良い意味です)
最後まで感動が続く、至福のデザートタイム
食後には、お口直しとしてミニティラミスのかき氷が登場。

こちら、前回も食べて感動した大好きなメニューなのですが、来るお客様方からもとても好評なメニューとのことで、全員に召し上がってほしいという想いから”ミニティラミス”として皆さんに提供することとなったそうです。これは歓喜!!
ふわっと削られた氷とティラミスが絶妙に混ざり合い、ケーキともアイスとも違う、新感覚のデザートなんです。今まで食べたことのない食感で、思わず「これは美味しい」と声が出てしまうと思います。
本命のデザートは、コンポート仕立ての桃のパフェ

みずみずしい日本産の桃に、白ワインやオリーブオイルの香りを合わせ、アマレットアイスを添えた上品な一皿です。

どこか銀座の高級パフェ専門店を思わせるような、繊細で洗練された味わいでした。
締めくくりは、たっぷりのフレッシュハーブを使ったハーブティー。これも大好きなドリンク。

ローズマリーやレモングラス、レモンピールなどが惜しみなく使われていて、一口飲むたびに爽やかで優しい香りが口に広がります。コースの余韻を心地よく締めくくってくれるのはもちろん、心まで穏やかに仕上げてくれます。
まとめ
今回いただいたサマーコースは5,000++、ペアリングは2,000++。コースメニューはこの一択です。
アラカルトもありますが、コースメニューのが圧倒的におすすめしたいハイクオリティな内容。

一皿ごとの完成度はもちろんですが、コース全体を通して「夏」というテーマが丁寧に表現されていて、最後までずっとワクワクしながら楽しむことができました。
お料理だけでなく、器やカトラリー、サービスに至るまで細やかなこだわりが感じられ、記念日や誕生日、大切な人とのディナーはもちろん、美食好きの友人を連れて行きたくなる一軒です。思わず人にもおすすめしたくなるはず。

服装はホテル内なのでカジュアルな方が多いですが、少しおしゃれをして訪れるとお店の雰囲気にもよく馴染みます。ちなみにキッズフレンドリーです。
楠シェフのお料理は、まるで星付きレストランで食事をしているかのような素晴らしい完成度。この価格でここまでの体験ができることに驚かされます。まだ広く知られていない今だからこそ、ぜひ訪れていただきたい、バンコクの隠れた名店です。




The S Bangkok の詳細
| 営業時間 | DINNER 17:00-22:00 水曜定休 |
|---|---|
| TEL | 02 120 4791 |
| 住所 | 2052/8 Charoenkrung 72/1, Chao Phraya Aly, Bangkok 10120 |
| 行き方 | BTS サパンタクシン駅から専用シャトルボートあり |
| SNS | HP / Instagram / FB |
| 地図 | Google Mapで開く |

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